仏検とは?日程や過去問、合格点は?難易度・レベル別に勉強方法を考える
仏検は、フランス語能力を測るための検定試験です。
正式名称は「実用フランス語技能検定試験」といい、略して「フランス語検定」「仏検」と呼ばれています。
学生のときに英検を受けたことがある人がいるかもしれませんが、それのフランス語版といえます。
ここでは、仏検に関してよくある疑問点について解説していきます。
どんな試験なの?難易度はどうなっているの?
検定に合格したらどんなメリットがある?
勉強方法は?
これらのポイントについて、お話していきます。
春と秋に年2回開催
仏検は、年に2回開催されます。
春季は4月〜5月中旬に募集を開始し、一次試験が行われるのは6月中旬です。
秋季は9月〜10月中旬に募集を開始し、一次試験が行われるのは11月中旬です。
注意したいのは、一次試験の一ヶ月前に出願を完了しなければいけない点です。
忘れないように、春季4月と秋季9月が近づいてきたら、出願の手続きを始めましょう。
インターネットでの申し込みは郵送する必要がない分、早く出願できます。
仏検の面接試験は準2級から
仏検の場合、2次試験の面接は準2級からです。
英検の場合は3級から面接試験がありますので、この点が異なります。
一般的に、3級からが語学力をアピールでき始めるレベルですよね。
これを筆記試験だけで取れるというのは、初心者にとって受けやすいポイントになるのではないでしょうか。
なかなかネイティブスピーカーと会話することがない人にとって、面接試験は緊張しますし、対策も難しいかと思います。
そんな人でも気軽に受験できるというのは、仏検のメリットと言えるでしょう。
仏検5級の難易度、合格までにかかる時間
5級の難易度は、学習時間50時間以上を目安に設定されています。
毎日一時間、効率よく学習を続ければ、準備期間2ヶ月で合格できることになります。
そして、週1回のレッスンで1年間、週2回なら半年ほどかかると言われています。
しかし、短期間で集中して取り組んだ方が効率よく対策ができるため、1年かけて取り組むのはおすすめしません。
仏検5級の問題のほとんどは選択問題です。そして、口頭試験はありません。
2020年の秋期試験では合格率が85.4%となっていることからも分かる通り、対策をして臨めば難しい試験ではありません。
仏検4級の難易度、合格までにかかる時間
4級の難易度は、学習時間100時間以上を目安に設定されています。
毎日一時間、効率よく学習を続ければ、準備期間4ヶ月で合格できることになります。
週1回のレッスンで2年間、週2回なら1年ほどかかると言われています。
しかし、短期間で集中して取り組んだ方が効率よく対策ができるため、数年かけて取り組むのはおすすめしません。
仏検4級の問題のほとんどは選択問題です。そして、口頭試験はありません。
2020年の秋期試験では合格率が80.1%となっていることからも分かる通り、対策をして臨めば難しい試験ではありません。
仏検3級の難易度、合格までにかかる時間
3級の難易度は、学習時間200時間以上を目安に設定されています。
毎日一時間、効率よく学習を続ければ、半年ほどで合格できることになります。
大学で、第一外国語としての授業なら1年間、第二外国語として週2回の授業なら2年間の学習に相当すると言われています。
仏検3級の問題のほとんどは選択問題です。そして、口頭試験はありません。
読解問題では、700文字、3段落程度の文章を理解できる力が求められます。普段から、相当量のエッセイなどを読むのに慣れておきましょう。
2020年の秋期試験では合格率が63.0%となっており、仏検を意識した対策が必要になってきます。
過去問を見て、どんな技能が求められているか観察し、そこを意識しながら勉強していきましょう。
仏検準2級の難易度、合格までにかかる時間
準2級の難易度は、学習時間300時間以上を目安に設定されています。
毎日一時間、効率よく学習を続ければ、準備期間10ヶ月で合格できることになります。
語彙は約2,300語ほどの知識を必要とし、「一歩進んだフランス語」と公式に題されていることからも分かる通り、難易度が高くなっています。
仏検準2級の問題のほとんどは選択問題です。しかし、この級から書き取り(Dictée)試験と、二次試験として口頭面接試験が追加されるので注意が必要です。
穴埋め問題では、動詞の選択肢が与えられているので、時制や主語に気をつけて活用する力が求められます。
単語で穴埋めする問題でも、解答の最初の文字が出されていますので、これをヒントにしながら解いていくことができます。
読解問題では、1000文字、3段落程度の文章を理解できる力が求められます。普段から、相当量のエッセイや、第三者視点で書かれた日記風の文章などを読むのに慣れておきましょう。
書き取り試験の長さは、200文字程度(3〜4文)と短いですが、日頃からトレーニングが必要です。
リスニングでは、長い問題で800文字、3段落程度の文章が読まれます。集中力を保ちながら、長いリスニング音声を理解する練習が必要です。
口頭試験では、200文字、3文ほどの長さの文章を音読します。そして、その文章を反映したイラストを提示され、そのイラストに関する質疑応答がなされます。
普段から正しい発音で音読練習をし、会話でのフランス語アウトプットをしている人であれば、問題なく解答できるでしょう。
2020年の秋期試験では合格率が60.5%となっており、仏検を意識した対策が必要になります。
過去問を見て、どんな技能が求められているか観察し、そこを意識しながら勉強していきましょう。
仏検2級の難易度、合格までにかかる時間
2級の難易度は、学習時間400時間以上を目安に設定されています。
毎日一時間、効率よく学習を続けても、1年以上の準備期間が必要となります。
語彙の知識は約3,000語必要で、レベルは大学のフランス語専門課程4年程度となります。
フランス語が「使える」レベルを想定しているため、読み、聞き、話す、書く4技能をバランスよく鍛えなければなりません。
仏検2級の問題のほとんどは選択問題です。
穴埋め問題では、動詞の選択肢が与えられているので、時制や主語に気をつけて活用する力が求められます。
単語で穴埋めする問題では、ヒントがなくなります。普段から、フランス語会話で使う慣用句を頭にストックしておきましょう。
読解問題では、1300文字、3段落程度の文章を理解できる力が求められます。普段から、相当量のエッセイや、第三者視点で書かれた描写文を読むのに慣れておきましょう。
書き取り(Dictée)試験では、400文字程度の文章が出題されます。リスニングの練習をするときは、ディクテの練習も必ず取り入れたいですね。
聞き取り試験では、1000文字程度の文章が読まれ、その内容に関する問題が出題されます。集中力を保ちながら、長いリスニング音声を理解する練習が必要です。
口頭試験では、“あなた”に関する質疑応答が行われます。内容はどれも日常生活レベルの内容です。趣味、仕事、昨日したこと、家族についてなど、自分に関するあらゆることについてフランス語で言えるようにしておきたいところです。
2020年の秋期試験では合格率が35.8%と、ここからグッと難易度が上がります。当然、仏検を意識した対策が必要になります。
過去問を見て、どんな技能が求められているか観察し、そこを意識しながら勉強していきましょう。
仏検準1級の難易度、合格までにかかる時間
準1級の難易度は、学習時間500時間以上を目安に設定されています。
しかし、このレベルまでくると出題範囲が膨大となるため、単に学習時間を消費しているだけでは合格することはできないでしょう。
合格には、約5,000語ほどのボキャブラリーと、ビジネスレベルの実力を必要とします。
普段から新聞や雑誌などの記事を読み、要約する癖をつけておきましょう。
仏検準1級からは、選択問題の割合が少なくなり、ヒントも少なくなってきます。
まず、単語を言い換える問題が新たに出題されています。形容詞を名詞化できるか、その逆ができるかトレーニングが必要です。
また、ひとつで複数の意味を持つ単語について、その意味を理解しているかが問われる問題が出題されます。
単語で穴埋めする問題では、ヒントがなくなります。普段から、フランス語会話で使う慣用句を頭にストックしておきましょう。
そして、仏検準1級から、30字程度の記述問題が出題されます。普段から、文章を読んで理解した内容を短く要約するトレーニングをしていきましょう。
後半では、日本語からフランス語に翻訳する問題も出されます。内容は日記レベルですので、難しいわけではありませんが、普段から書くことに慣れておく必要があります。フランス語で短い日記を書いたり、普段考えていることを3つの文章にまとめ、定期的に添削してもらっておきましょう。
読解問題では、2000文字、4段落程度の文章が2つ出題されます。その他にも1300文字程度の読解問題もあるため、短い文章はさっと目を通して理解できるほどの力が必要でしょう。
普段から、相当量のエッセイや、新聞、第三者視点で書かれた描写文を読むのに慣れておきましょう。
書き取り(Dictée)試験では、500文字程度の文章が出題されます。リスニングの練習をするときは、ディクテの練習も必ず取り入れたいですね。
聞き取り試験では、1200文字程度のニュース文が読まれ、その内容に関する問題が出題されます。集中力を保ちながら、長いリスニング音声を理解する練習が必要です。また、内容がニュースと、社会問題を扱うため、その分野のボキャブラリーに対応できることも重要です。
口頭試験でも同様に、社会問題、文化、政治など、なかなか答えづらいテーマについて質問がなされます。日頃からフランス語のニュースや新聞に触れ、解説・社説などを読み、自分の意見をフランス語でまとめる練習をしておきましょう。
2020年の秋期試験では合格率が25.0%と、難易度が高いです。対策をしていても知識の範囲外の問題が出題されれば、不合格となってしまう可能性があります。
つまり、ここらあたりからフランス語の総合力の高さ、知識量の多さが求められるということです。
フランス語に触れている時間が長ければ長いほど有利になるため、試験6ヶ月前くらいから、早めに意識してインプットしていきたいところです。
過去問を見て、どんな技能が求められているか観察し、そこを意識しながら勉強していきましょう。
仏検1級の難易度、合格までにかかる時間
1級の難易度は、学習時間600時間以上を目安に設定されています。
しかし、このレベルまでくると出題範囲が膨大となるため、単に学習時間を消費しているだけでは合格することはできないでしょう。
合格に必要なボキャブラリー数には制限が設けられておらず、仕事や社会生活で使えるレベルが求められます。
政治・経済・社会・文化の幅広い領域において、理解し、自分の意見を論理的に述べる力が必要となります。
普段から新聞や雑誌などの記事を読み、要約し、自分の意見をまとめる癖をつけておきましょう。
仏検1級は、単に選択する問題や、ヒントのない問題が多い試験です。
序盤で単語を言い換える問題が出題されますので、形容詞の名詞化や、動詞の名詞化などに言い換える練習をしましょう。
また、ひとつで複数の意味を持つ単語について、その意味を理解しているかが問われる問題が出題されます。
単語で穴埋めする問題では、ヒントなしで特殊なボキャブラリーに対応しなければなりません。普段から、フランス語会話で使う慣用句を頭にストックしておきましょう。
読解問題では、2000〜2500文字、4段落程度の文章が2つ出題されます。その他にも1500文字程度の読解問題もあるため、短い文章はさっと目を通して理解できるほどの力が必要でしょう。長い文章でも集中力を保って読解する力が求められます。
普段から、相当量のエッセイや、新聞、第三者視点で書かれた描写文を読むのに慣れておきましょう。
書き取り(Dictée)試験では、600文字程度の文章が出題されます。リスニングの練習をするときは、ディクテの練習も必ず取り入れたいですね。
聞き取り試験では、1200文字程度のニュース文が読まれ、その内容に関する問題が出題されます。集中力を保ちながら、長いリスニング音声を理解する練習が必要です。また、内容がニュースと、社会問題を扱うため、その分野のボキャブラリーに対応できることも重要です。
口頭試験でも同様に、社会問題、文化、政治など、なかなか答えづらいテーマについて質問がなされます。日頃からフランス語のニュースや新聞に触れ、解説・社説などを読み、自分の意見をフランス語でまとめる練習をしておきましょう。
2020年の秋期試験では合格率が14.9%と、難易度が高いです。対策をしていても知識の範囲外の問題が出題されれば、不合格となってしまう可能性があります。
つまり、フランス語の総合力の高さ、知識量の多さが求められるということです。
フランス語に触れている時間が長ければ長いほど有利になるため、試験6ヶ月前くらいから、早めに意識してインプットしていきたいところです。
過去問を見て、どんな技能が求められているか観察し、そこを意識しながら勉強していきましょう。
客観的な自分のレベルを把握する
独学でフランス語を勉強していると、自分の知識レベルがどれくらいのものなのか分かりませんよね。
仏検を受けることで、自分がどのくらいのレベルに位置しているのかを、客観的に知ることができます。
普段3級向けの本で勉強しているなら、実際に受けてみることで自分の勉強の仕方を見直す機会にもなるでしょう。
キャリアに効果あり?
仏検に合格することは、就職活動に有利なのでしょうか?
こればかりは、採用基準によるので断言はできません。
ただ、英語力+αでフランス語力をアピールすることがプラスであることには違いありません。
外国語を習得しようという意欲があること、そして、何かを継続して頑張れる力があることは評価されるはずです。
一方、もしフランス語を業務で使うことが多い役職に応募する場合は、試験合格よりも実際に会話応答できるかどうかの方を考慮されるはず。
場合によっては独自の試験があるかもしれません。その場合は、仏検をもっていても重要視されないかもしれません。
仏検1級合格者のメリット
仏検1級合格者は、国家資格「通訳案内士」のフランス語筆記試験が免除されます。日本でプロの観光ガイドを目指しているという方は、仏検1級に合格するメリットがあるといえます。
また、仏検1級合格者の会(ALFI)という仏検公認の団体に参加できるようにもなります。フランス語を通して交流や情報交換の機会を増やしたいという方には、嬉しいメリットかもしれません。
留学しやすくなる?
仏検は海外では認識されていませんので、大学や高校を通さない私費留学の場合はあまり考慮されないでしょう。
しかし、学内で選考がある交換留学の場合は別です。
交換留学はたいていの場合、学内で枠が限られており、学内選考があります。
そこでは、授業態度や、提出物を出しているかといった基本的なことのほかに、フランス語力が審査されます。
大学としても、提携先の学校には、できるだけ優秀な生徒を送り出したいもの。
また、フランス語をすでに話せる学生を送った方が、トラブルも少なくすみます。
そこで、仏検を取得しているかどうかが判断基準にプラスされることがあります。
自主的に仏検を受験し合格しているなら、その積極性、意欲も評価されることでしょう。
しかし、これは仏検の実用面でのメリットです。
最も重要なポイントは、「仏検を受ける過程でフランス語の知識がついていく」ということでしょう。
そうすると他の検定や、独自の面接試験でも結果を残すことができるはずです。
何よりフランス語圏に留学に行くのに、どんな形であれフランス語を勉強することはいいことですから。
「資格を私費留学・学部留学に役立てたい」ということであれば、仏検ではなくDELF/DALFの受験をおすすめします。
DELF/DALFとは、フランス国民教育省によってつくられたフランス語試験です。
世界では、この試験をもとにフランス語力を測ることが標準となっています。
語学学校は資格がなくても入れる場合がありますが、学部留学には入学基準がありますよね。
そのとき、語学力も問われるのですが、DELFB2以上の資格をもっておけば語学力を認めてもらえる可能性が高くなります。
ちなみに私たちエコールサンパのレッスンも、すべてDELF/DALFに準拠するようつくられています。
日本にいながら、フランスで学ぶように学んで欲しい、という思いがあるからです。
このように、仏検はヨーロッパでは認知されていないため、現地であなたのフランス語力を評価する指標になりづらいことに注意しましょう。
この記事では、フランス語の関係代名詞の種類をおおまかに説明しました。
最後の方は、覚えることが多すぎて不安になったかもしれませんね。
これらを全部一度に覚えようとすると、混乱してしまい、結局会話で使えないということになりかねません。
ですから、まずは”最もよく使われるものだけ”積極的に使っていきましょう。
その上で間違っていたとしても、「ネイティブの表現から学んだり、直してもらえばいい」というくらいの気持ちで、まずは気楽に会話を楽しむことをオススメします。
最低限、押さえておきたいのはこちらです。
- 関係代名詞は、直前の名詞に追加の説明を加えるもの
- « qui »は、主語になりきり、動詞を伴って文を続けられる
- « que »は、新たな主語+動詞の形で文を加えられる
- « où »は、場所と時間に関する名詞に対して、追加情報を入れるときに使う
“dont”や”lequel, laquelle, lesquels, lesquelles”などは、慣用句や表現として丸覚えして、リズムでフレーズごと覚えて使った方がいいと思います。
関係代名詞には種類が多く、ミスなしで話すことはとても難しいです。
また、文法に集中しすぎると言葉が出なくなってしまいます。
本来の目的は、フランス語を話し、ネイティブと交流することですよね。
文法はその目的達成のための手段でしかないのです。
ですから、ある程度割り切って、小さなミスを諦めて会話の瞬発力を鍛えることの方をオススメします。
瞬発的な発言力を鍛えると、結果的にネイティブとの会話量が増えます。
そうすると、インプットとアウトプットの機会が自然に増えるのです。
大体の部分だけ理解して、実践で覚えていくことをオススメします。
それでは、今日もフランス語学習、お疲れさまでした!