【フランス語冠詞がわからない】つかないときはどんなとき?使い分けと覚え方を教えます
フランス語で冠詞とは、名詞の前につく品詞のこと。
フランス語では、冠詞によって次にくる名詞の数や性を表せます。
例えば、名詞の前に« un, une, des », « le, la, les »という語を見たことがありますか?
これが冠詞です。
実は、何を名詞の前に置くかによって意味が変わるため、違いを理解して使い分ける必要があります。
この記事では、冠詞の使い分けと覚え方について解説していきます。
実は冠詞には、3つの種類があります。
定冠詞、不定冠詞、部分冠詞というのですが、名前は覚えなくて大丈夫です。
実践重視で、とにかくどのように使うのかを身につけていきましょう!
まずは基本から説明します。
« le, la, les »は、名詞の数と性によって使い分けます。
男性名詞 | 女性名詞 | |
---|---|---|
単数 | le または l’ | la または l’ |
複数 | les | les |
名詞がa, e, i, o, u, y, hから始まるときには、l’ をつけることに注意しましょう。
例:
le train / 電車
la maison / 家
les lunettes / メガネ
定冠詞の« le, la, les »は、特定のものや、人を指定したいときに使いましょう。
例えば、世界に一つしかないものは、« le, la, les »を使うしかありません。
エッフェル塔やベルサイユ宮殿は、唯一のものですね。
「あの有名な」がつけられる名詞は、« le, la, les »でいきましょう!
例:
le château de Versailles / ベルサイユ宮殿
châteauは男性名詞なので、leを選択します。
la tour Eiffel / エッフェル塔
tourは女性名詞なので、laを選択します。
J’aime la France. / フランスが好きです。
国も唯一のものです。目的語としての国名には« le, la, les »が使われます。
« le, la, les »を使えば、名詞を指定できるので、
こんな使い方もできます。
Le magasin bio en face est trop cher. / 向かいのオーガニック専門店は品物が高すぎる。
C’est les chaussures de mon frère. / 兄の自転車です。
J’ai éteint la lumière. / 電気は消しました。
このように、
- 自分や相手がその”ものや人”をすでに知っているとき
- その”ものや人”が文脈から識別可能なとき
- 自分も相手も、何について話しているかわかっているとき
- すでに相手と話したことのある“ものや人”について話すとき
このようなときには、名詞を指定するために« le, la, les »が使えます。
また、aimer, adorer, préférer, détesterのあとにも、« le, la, les »を使います。
カテゴリとして名詞を捉えて、指定するというイメージです。
例:
Elle adore les chats. / 彼女はねこ好きです。
Je n’aime pas le froid. / 寒いのが苦手です。
« un, une, des »は、名詞の数と性によって使い分けます。
男性名詞 | 女性名詞 | |
---|---|---|
単数 | un | une |
複数 | des | des |
例:
un fruit / くだもの
une baguette / フランスパン
des bouteilles / ボトル
複数形の名詞に形容詞がつく場合は、desがdeに変わります。
Ses parents ont acheté de bonnes bouteilles de vin pour Noël. / 彼の両親はクリスマスにいいワインを買いました。
不定冠詞の« un, une, des »は、名詞を一般的な意味で使いたい時に使いましょう。
例:
Je veux regarder un film aujourd’hui. / (タイトルは問わずに)今日は映画が見たい。
Je voudrais une baguette s’il vous plaît. / (ショーケースの中からどれでも)フランスパンをひとつください。
Il travaille dans une grande entreprise. / 彼は大企業に勤めている。
このように、
- 一般的な意味で、”ものや人”について話すとき
- 会話の導入として、その”ものや人”を指定せずに話すとき
- その”ものや人”が、話題に一度もあがってないとき
- その”ものや人”を相手が知らないとき
これらの場面では、不定冠詞の« un, une, des »を使いましょう。
名詞の中には、数えられないもの(不可算名詞)がありますね。
そのような名詞の前には、« du, de la »をつけるようになっています。これを部分冠詞といいます。
例:
Je dois acheter de l’eau, du café et de la viande. / 水、コーヒー、お肉を買わないといけない。
「全体の中から、一部の量だけ」表現するときは、« du, de la »を使いましょう。
母音とhの前は、« de l’ »が使われることに注意しましょう。
« du, de la »は、スポーツ(動詞がfaireのとき)や楽器が名詞になるときにも使われます。
例:
Je fais du foot et de la natation. / 私はサッカーと水泳をします。
Mon ami joue du piano et de la guitare. / 私の友達はピアノとギターを弾きます。
定冠詞の« le, la, les »は、前置詞のà, deと使われるときに、形が変わります。
これを”縮約”といいます。
前置詞 | 冠詞 | 前置詞+冠詞 | 例 |
---|---|---|---|
à | le | au | Je vais au parc. / 公園にいきます |
à | les | aux | Faites attention aux cyclistes. / サイクリストに気をつけてください |
de | le | du | Quels sont les horaires du train ? / 電車の運行時刻はどうなっていますか? |
de | les | des | Il parle des jeux vidéo. / 彼はゲームについて話しています |
厄介なことに、冠詞がつかないときもあります。
・街の名前を使うとき
例:J’habite à Tokyo. / 東京に住んでいます。
・曜日や月を使うとき
例:
Je suis allé aux courses lundi. / 月曜に買い物に行った。
J’ai voyagé en août. / 8月に旅行に行きました。
・「en + 交通手段」を使うとき
例:Tu vas au travail en voiture ou en bus ?
・”一般的な意味”で職業をあらわすとき
例:Elle est comptable. / 彼女は会計士です。
→ 特定の人物を指すときは、Je connais le comptable de cette entreprise. / この会社の会計士を知っています。
→ その人の特徴を示すときは、C’est un bon comptable. / いい会計士ですよ。
・宗教をあらわすとき
例:Je suis bouddhiste.
→ 特定の人物を指すときは、C’est le catholique qui va tous les jours à l’église. / 毎日教会に行っているキリスト教徒です。
→ その人の特徴を示すときは、C’est un catholique fervent. / 敬虔なキリスト教徒ですよ。
量をあらわすbien, la plupart, une partie, la majorité, la moitiéなどは、冠詞が必要ありません。
例:
J’ai bu beaucoup de café. / コーヒーをたくさん飲んだ。
否定形のときも、冠詞がいりません。
例:
Il n’y a plus d’eau dans mon verre. / コップにはもう水がない。
また、一部の表現では、冠詞が必要ありません。
例:
J’ai besoin d’argent. / お金が必要だ。
J’ai envie de fraises. / イチゴを食べたい気分だ。
指定したい(定冠詞) | 一般化したい(不定冠詞) | 名詞の一部だけ(部分冠詞) | |
---|---|---|---|
男性名詞の単数 | un | le | du |
女性名詞の単数 | une | la | de la |
複数 | des | les | des |
この記事では、« le, la, les »と« un, une, des »をはじめとして、冠詞の使い方を説明しました。
その中で、これらのことがわかりましたね。
- « le, la, les »は名詞を特定したいときに使うこと
- « un, une, des »は名詞を一般化したいときに使うこと
- « du, de la »は数えられない名詞に対して使うが、例外もあること
- 冠詞がつかない場合もあること
この中で、まず基本の« le, la, les »と« un, une, des »の使い方を押さえましょう。
部分冠詞や例外については、慣用句や表現として丸覚えして、リズムでフレーズごと覚えて使った方がいいと思います。
フランス語には例外が多く、ミスなしで話すことはとても難しいです。
また、文法に集中しすぎると言葉が出なくなってしまいます。
本来の目的は、フランス語を話し、ネイティブと交流することですよね。
文法はその目的達成のための手段でしかないのです。
ですから、ある程度割り切って、小さなミスを諦めて会話の瞬発力を鍛えることの方をオススメします。
瞬発的な発言力を鍛えると、結果的にネイティブとの会話量が増えます。
そうすると、インプットとアウトプットの機会が自然に増えるのです。
大体の部分だけ理解して、実践で覚えていくことをオススメします。
それでは、今日もフランス語学習、お疲れさまでした!